特別を五感で知る季節

八ヶ岳に、雪が舞いました。

8MATOのある南麓(標高1000m)も、今朝は氷点下。この秋初めての霜が、静かに降りました。

ここ数日で、季節は駆け足で過ぎ去ったようです。

木々は彩りを深め、一年で最も鮮やかな衣をまとっています。


麓に暮らして、九年が過ぎました。この束の間の輝きは、いつも特別です。わずかな時だからこそ、その尊さが胸に染みるのかもしれません。

ここでは、暦は要りません。窓越しの景色が、肌を撫でる空気が、五感に「時」を知らせてくれます。

季節の移ろいは、日常。いつもの通り。けれど人は、そこに特別な意味を見出します。紅葉を狩り、秋を祝う。
秋深き 隣は何を する人ぞ 芭蕉
森に囲まれていると、そんな「当たり前」を、ごく自然に受け止めている自分に気づきます。
幾千年も繰り返されてきた、人間の営み。「人間らしい」とは、そんな暮らしの中にあるのかもしれません。
8MATOを作るとき、この自然の当たり前と、「人間らしい」時を、誰にも気負わずに体験してもらいたいと考えました。

お越しいただければ、きっと感じていただけるはずです。
