愛すべき本棚と完璧な冬の8MATOと
先日の大風で森の木々の葉っぱが、きれいに吹き飛ばされました。8MATOの森のあちこちに木の枝が散乱し、後片付けも一苦労。でも、それが森の主の仕事です。
秋が終われば冬が巡ってくるのは当たり前です。8MATOで仕事をしていると、それを五感で感じ取ることができます。
こちらは、11月24日に撮影した風景です。
およそ2週間後の12月9日がこちらです。彩りもまた、季節の移ろいを楽しませてくれますね。そろそろ、本格的な冬の到来です。
そんな冬の8MATOは完璧です。ぬくぬくの薪ストーブで暖を採りながら、好きな本を読み、仕事ができます。我が家も近くにあるのですが、この空間がたまらなく大好きで、私は、日がな一日、8MATOで過ごすことも少なくありません。
8MATOの自慢の景色の1つが、大きな本棚です。自分が読んだ本や利用者達が置いていった本が並んでいます。大工さんに「大きくて頑丈な本棚を作って下さい」とお願いしました。でももう一杯で、増え続ける本をどうしようかと悩んでいます。そんな本棚を少しご紹介しましょう。
向かって左側の事業戦略やDXに関わる本を集めています。下段は、コンピューターに関連した書籍です。いずれも一通りは目を通していますが、野中郁次郎と竹内弘高の「知識創造企業」と「ワイズカンパニー」は、必読の1冊ですね。また、DXの本質を理解するのにうってつけの1冊といえるのが、西山圭太の「DXの思考法」でしょう。
下段の左にある庭山一郎の「BtoBマーケティングの偏差値UP」は、マーケティングの仕事をする人には読んで欲しい1冊です。下段中央にある白川克の「システムを作らせる技術」は、システム開発を成功させるためのユーザーの役割について、わかりやすく語られています。私は、この視点こそ、SI事業者やITベンダーに持って欲しいないと思っています。また、榊原彰・監修のDevOpsシリーズもDevOpsを正しく理解する助けになります。言葉だけで知ったつもりにならないためにも、読んでおきたい本ですね。下段左にある林雅之の「クラウドの基本」もクラウドをわかりやすく解説しています。いまさらクラウドですが、分かったつもりになっている人も多く、正しく理解するには、とてもいい本です。
その右隣の上段も先ほどに引き続き、事業戦略や経営、哲学や思想なども並んでいます。及川卓也の「ソフトウエア・ファースト」は、これからの事業や経営を考える上でソフトウエアがいかに重要かをわかりやすく解説しています。「ソフトウエア・ファースト」という言葉が、日常で語られるようになったのもこの本がきっかけでした。クリステンセンの定番も並べています。イノベーションとは何かを理解するには、ここから始められてはいかがでしょうか。ジェレミー・リフキンの「限界費用ゼロ社会」も、これからの事業戦略を考える立場の人たちにとっては、必読の1冊です。DXの本質を理解する土台となる内容ではないかと思っています。
下段には、私の著作を並べてみました。只今、次作の準備を始めています。また、アジャイルやUX、ビジネス・モデルに関わる本もいくつか並んでいます。戸田孝一郎の「AGILE WORK アジャイルワークの教科書」は、アジャイルの本質を分かりやすく教えてくれます。そして、システム開発ではなく、様々な仕事の現場での活かし方を解説しています。また、下段左端のジェフ・サザーランドの「スクラム」もいい本です。ご存知、「アジャイルソフトウェア開発宣言」に名前を連ねた一人ですが、これもまたアジャイルの本質を理解する助けとなります。そして、その隣の大野耐一の「トヨタ生産方式」は、アジャイル開発の源流を知ることができる古典的名著ですね。アジャイルの本質を理解したい人なら必読書と言ってもいいでしょう。
その右隣は、少し気楽に読んで頂けそうな本を並べています。「薪を焚く」は、珠玉の1冊です。ノルウェーの作家による"オールアバウト薪"といった内容で、「薪オタク」には、欠かせない愛読書です。ヘンリー・ソローの「ウォールデンの森の生活」も森で生活する人なら読んで然るべきです。スザンヌ・シマードの「マザーツリー」は驚きの1冊です。森林は「インターネット」であり、菌類がつくる「巨大な脳」、樹木たちのコミュニケーションを可能にする「地中の菌根ネットワーク」でつながっていること、木々をつなぐハブとなる「マザーツリー」の驚くべき機能について語られています。自然のなかに秘められた「知性」を知ることができます。ついでに、サウナ本も!そのうち8MATOの森にサウナを作ろうかと勉強中です。
下段のBusiness Model Generation関連の書籍は、仕事にてフル活用しています。こういう整理の仕方は、いい勉強になります。
棚の一番右端はいろいろあります。上段のハラリの基本の3冊である「サピエンス全史」、「ホモ・デウス」、「21Lessons」は、いずれも一気読みしました。芥見下々の「呪術廻戦」も一気読みしちゃいますね。
下段の「子どもたちの命と生きる」は、東日本大震災の津波で全校児童108人の7割に当たる74人が死亡、行方不明となった事故について、様々な立場の人たちが語った記録です。生々しいひとり一人の思いが語られています。私も被災直後から何度か大川小学校を訪れています。あの破壊し尽くされた校舎の光景は、脳裏から離れません。そんな記憶と相まって、深く考えさせられる内容です。
この書棚に並ぶ書籍の著者も沢山8MATOに来て下さいました。もちろんそんな皆さんには、サインをお願いし、並べています。こちらは、マーケティングの大御所、庭山一郎さんにサインを頂いたときの写真です。
ぜひ、8MATOの本棚を覗いて下さい。そして、薪ストーブの温もりとともに「読書 de 8MATO」はいかがですか。貸出もしていますので、良かったら持ち帰り、読んで下さい。ご感想とともに、いろいろと語り合えたらいいですね。
景色も書籍も薪ストーブも、8MATOの冬は完璧です。ぜひ、あなたの特別な時間を楽しんで下さい。